空き家を管理するポイント:”特定空き家”に認定されないために
現在空き家と空き地の増加が社会問題になっており、
適切な管理が行われていないと、多くの問題を引き起こす可能性があります。
空き家の適切な管理は、資産価値を保持し将来的な利用の選択肢を広げるためにも重要です。
空き家を管理する上での基本的なポイントと、なぜ空き家を管理した方が良いのかについて説明していきます。
空き家を管理するポイント
1. 空き家の定期チェック
空き家は放置していると、様々なトラブルを引き起こす可能性があります。
隣人とのトラブル、犯罪の温床、倒壊などの事故などが考えられます。
こうしたリスクを防ぐためには、定期的に空き家をチェックすることが重要です。
最低でも月に一度は訪問し、以下の点を確認しましょう。
- 外観: 目立った破損や劣化がないか
- 敷地内: 不法投棄や雑草の繁茂がないか
- 室内: 雨漏りやカビの発生、害虫の侵入がないか
- 設備: 水道やガス、電気などの設備に異常がないか
また、近隣住民に声をかけておくのも有効です。定期的に様子を見てくれる人がいれば、安心感が増します。
2. 防犯対策
空き家は犯罪のターゲットになりやすいと言われています。
実際に、空き家で窃盗や放火などの被害が発生したというニュースも少なくありません。
こうした被害を防ぐためには、以下の防犯対策を講じることが重要です。
- 鍵: 窓やドアに補助錠を取り付ける
- 防犯カメラ: 防犯カメラを設置する
- 照明: 人感センサー付き照明を設置する
- 警備システム: セキュリティシステムを導入する
- 近隣住民との連携: 近隣住民と協力して、空き家の様子を見守る
3. 通水・換気の実施
空き家を放置していると、悪臭が発生したり、建材が劣化したりする可能性があります。
こうした問題を防ぐためには、定期的に通水と換気を行うことが重要です。
- 通水: 水道を開けて水を流し、排水トラップに水を溜める
- 換気: 窓やドアを開けて、新鮮な空気を入れ替える
通水・換気は、月に一度程度行うようにしましょう。
4. その他の対策
上記以外にも、空き家を安全に管理するためには、様々な対策があります。
例えば、以下のようなものがあります。
- 定期的な修繕を行う
- 不要な物は処分する
- 郵便物を整理する
- 草刈りをする
空き家を所有している場合は、定期的に管理を行い、トラブルを未然に防ぐようにしましょう。
空き家を管理する最も大きなメリット
なぜ空き家を管理した方が良いかというと、「特定空き家」に認定されてしまうこともあり、
持ち主にデメリットが出てきてしまうからです。
特定空き家について
特定空き家とは、行政が定めた基準に基づき、「放置すべきではない」と判断された空き家を指します。
具体的には、以下の状態に該当する空き家が該当します。
- 倒壊の危険がある
- 衛生上有害な状態
- 適切な管理が行われておらず、著しく景観を損なっている
これらの状態にある空き家は、周辺住民の安全や生活環境を脅かす可能性があるため、行政から指導や勧告を受けることになります。場合によっては、強制的な措置が取られることもあります。
特定空き家のデメリット
特定空き家に指定されると、主に以下の2つのデメリットが発生します。
- 行政からの指導・勧告、場合によっては強制措置
行政から指導や勧告を受け、改善に応じない場合は、最終的に強制的な措置が取られる可能性があります。具体的には、行政代執行による解体となり、その費用は所有者が負担することになります。 - 固定資産税の大幅増
特定空き家に指定されると、住宅用地の特例措置が受けられなくなり、固定資産税が大幅に増加します。これは、空き家が地域住民の安全や生活環境を脅かす可能性があるため、固定資産税の優遇措置を適用しないという考え方です。
特定空き家を回避するための対策
特定空き家への認定を回避するには、以下の3つの対策が考えられます。
- 空き家の管理
定期的に空き家を訪問し、ゴミの放置や樹木の越境などを防ぐことで、有害な状態と判断されないようにしましょう。また、建物の安全性を確保することも重要です。 - 空き家の活用
空き家を賃貸物件やシェアハウス、店舗などに活用することで、空き家状態で放置しておくよりも安全かつ有効に資産を管理することができます。ただし、活用前にリフォームなどの修繕が必要となる場合があり、手間と費用がかかります。 - 空き家の解体
建物の状態が著しく悪い場合や、修繕費用に見合わない場合は、解体して土地を有効活用する方法もあります。解体費用は発生しますが、固定資産税の負担が軽減されるほか、駐車場などに転用することで収益を得ることも可能になります。
まとめ
空き家は適切な管理を行わなければ、周辺住民に迷惑をかけるだけでなく、所有者にとっても大きなリスクとなります。特定空き家に指定されると、行政からの指導や勧告を受けるだけでなく、固定資産税が大幅に増加するなど、様々なデメリットがあります。
空き家を放置せず、定期的に管理するか、活用するか、解体するかのいずれかの対策を講じることが重要です。所有している空き家について不安がある場合は、行政や専門家に相談することをおすすめします。